悪性貧血は、ビタミンB12の欠乏により起こる病気です。ビタミンB12を体内に吸収するためには、胃粘膜より分泌される内因子が必要になります。悪性貧血では、胃粘膜が何らかの原因で萎縮し、内因子の分泌が不足をしてくると、ビタミンB12が体内に吸収されなくなります。
ビタミンB12が不足をしてくると、細胞の新陳代謝にトラブルが起こり、DNA合成障害が発生するので、その結果、赤血球の製造ができなくなります。
悪性貧血は、白人に多く、黄色人種、黒人の順で頻度が少なくなります。悪性貧血で、内因子が少なくなる原因の一つに胃の切除などがあります。
胃は内因子の唯一の産生場所と考えられていて、胃全摘術を受けると5〜6年後には必ず悪性貧血になると考えられています。
一方胃の部分切除では、悪性貧血を発症することは稀で、その頻度は1パーセント以下といわれています。
この悪性貧血では、胃がんの合併頻度が高いことに気をつける必要があります。欧米では悪性貧血の約5パーセントで胃がんが見られるといわれています。
悪性貧血では、赤血球が減少し、その大きさは増大します。赤血球一個あたりのヘモグロビン含有量は、多くなります。
また、好中球の核の分葉が多くなり、過分葉を認めるようになります。これは早期判断のための重要な所見です。
悪性貧血でみられる症状は、ビタミンB12が欠乏してくることから、いろいろな症状があらわれます。貧血症状には、たちくらみ・脱力感など、神経症状には、手足のしびれ・ふるえ・意識障害など、消化器症状である舌炎・食欲不振などです。
骨髄では、赤血球だけでなく白血球、血小板でも成熟障害が認められます。赤血球系では、巨赤芽球様変化があって、好中球系細胞は大型化し、巨大後骨髄球や巨大状球がみられるようになります。
悪性貧血の治療で行われる治療には、ビタミンB12を非経口します。治療をした後、血球の形態の正常化はすみやかにおこり、48〜72時間後に終了します。網赤血球は4〜10日後には最高値に達します。
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