皮膚の病気

悪性黒色腫は、転移をしやすく最も悪性度の高い皮膚がんです。30歳代から多く見られるなど、若い人に発症します。

皮膚を構成している表皮の基底細胞には、メラニンという色素をつくるメラノサイトという色素細胞があります。

悪性黒色腫は、色素細胞から生じる場合と色素細胞が本来と異なる形に変化した母斑細胞から生じる場合があります。

悪性黒色腫には、大きく次の4種類があります。


悪性黒子型 顔に多く現れます。悪性黒色腫のなかでは、経過が穏やかです。日本人に見られることは比較的まれです。

結節型 急に黒く豆粒大に隆起するもので、全身のどこにでも現れます。悪性度が高く、比較的早期に転移します。


表在拡大型 全身のどこにでも現れます。がんの一部が扁平状に広がっていくように拡大します。経過は比較的穏やかです。


末端黒子型 日本人に最も多く見られるタイプです。足の裏や爪の下などの身体の末端部に発生します。一部の皮膚の色が次第に黒っぽく変わってきて、次第に広がり盛り上がっていきます。

時には、色がにじんだようにしみだすことがあります。初期のうちから転移しやすく、悪性度が高いものです。

悪性黒色腫の原因は、明らかになっていませんが、外傷などの刺激がきっかけとなることが多いといわれています。


足にものが落ちて皮膚に色がついたものを血豆とおもっていたら、悪性黒色腫だったということもあるので、いつまでも皮膚の色がとれなかったり、色が広がったりした場合には、早めに皮膚科を受診するようにしましょう。


悪性黒色腫の診断 専門医であれば、視診で確実に診断がつきます。しかし初期の場合には、良性のほくろと鑑別するため、皮膚生検を必要とすることがあります。

しかし悪性黒色腫は、刺激を与えると症状が悪化する性質があるので、皮膚生検を行う際は、悪性黒色腫であった場合に備えて、その後すぐに手術ができる準備をしておきます。


悪性黒色腫の治療 治療の基本は切除手術です。悪性度が高いため、がんの周縁部から最小でも2〜3センチ離して切除します。

ほとんどの場合、2〜3ヶ月入院して抗がん剤を用いる化学療法があわせて行われます。また、身体の免疫力を高める働きのあるインターフェロンを悪性黒色腫の周囲に注射する免疫療法を行うこともあります。

この方法は、周囲の小さな転移がんの治療も目的とします。悪性黒色腫は転移ししたり、再発することが多いため、治療後も、定期的に検査入院する必要があります。

検査の内容は、有きょく細胞がんの場合と同様です。検査でがんの再発が見つかれば、そのまま手術をすることもあります。



脱毛症は、脱毛のサイクルが乱れて症状です。髪の毛は、普通、毎日100本くらいの数が抜けていきます。

しかし、それ以上多く抜ける場合、あるいは一部分だけがひどく抜ける場合は、病的な脱毛(脱毛症)が考えられます。

病的な脱毛(脱毛症)には、円形脱毛症をはじめ、いろいろなものがあります。原因を調べるとともに、髪の毛の正しいケア法を学ぶことができます。

脱毛のサイクル 頭部には、およそ10万本の髪の毛が生えています。髪の毛一本一本には、毛周期といわれる毛の一生があります。

毛周期は、成長期、退行期、休止期のみっつに分けられます。

成長期 成長期は、髪の毛が伸びる時期で、約2〜5年間つづきます。毛は毛根にある毛母という部分で、細胞分裂が繰り返されることによって伸びていきます。

一日に伸びる長さは、成人で0.35mm程度です。成長期にあたる髪の毛は、頭髪全体の約85パーセントから90パーセントと大半をしめます。

退行期 成長期の次に、退行期にはいります。退行期は短くて、数日から2週間程度です。毛根部には、毛細血管から栄養を受け取って髪の毛に供給する毛乳頭がありますが退行期には、毛乳頭が繊維化して、毛に栄養が行き届かなくなります。

そのために、毛根の成長が止まります。退行期の髪の毛は、頭髪全体の数パーセントをしめます。

休止期 最後が休止期で、3ヶ月ほど続きます。毛根が短くなって自然に抜けていきます。休止期の髪の毛は、頭髪全体の約10パーセントを占めています。

休止期のあと、髪の毛が抜け落ちると、再び新たな毛がつくられます。通常は、こうした毛周期が絶えず繰り返されています。

髪の毛の毛周期は、一本一本異なりますから、休止期にある髪の毛が一斉に抜けるわけではありません。正常な脱毛では、一日に抜ける髪の毛は100本程度になります。

しかし、正常な脱毛と異なって、一部分の髪の毛だけがたくさん抜けたり、全体的に大量に抜けてしまうなど病的な脱毛もあります。


みずいぼは、痛みやかゆみもなく、自然に治りますが、数が増えたり、他の子供に感染する可能性もあるので、早めに治療するようにしましょう。

みずいぼは、医学的には、伝染性軟属腫といい、4〜7歳くらいの子供に多くみられます。伝染性軟属腫ウイルスに感染することでおこります。

みずいぼは、丸くて表面がつるっとして軟らかく、大きさは直径1〜3mm程度です。中央におへそのようなくぼみがあるのが特徴です。

かゆみや痛み、発熱などの症状はありませんが、放置をするとしだいに大きくなります。

みずいぼができやすいのは、胸や腹、わき腹などの皮膚の薄い部分や、わきの下などのすれる部分です。

また、アトピー性皮膚炎の人や、皮膚が乾燥しているドライスキンの人は、みずいぼができやすい傾向があるようです。

日本では、プールや幼稚園などで、皮膚と皮膚とが接触したり、タオルなどを介して感染するケースがほとんどになります。

アメリカでは、性感染症としてみずいぼが増えていて、日本でも少しずつ見られるようになっています。

みずいぼは放置をしても、数ヶ月から2〜3年くらいで自然になおっていきます。しかし、放置をすると大きくなる上、ひっかいたりして、どんどん増えてしまうことあるので、早期に治療をしておいたほうがいいでしょう。

みずいぼは、ウイルス性の皮膚炎ですが、抗ウイルス薬はあまり効果がありません。

抗ウイルス薬を塗った場合と、ワセリンを塗った場合とを比較したところ、治療成績に差がなかったというデータもあります。

根本的な治療法は、特殊なピンセットで、つまんでむしりとる方法になります。一つ一つつまんでつぶして取るので、出血もあり、痛みもかなりありますが、これが最も確実な方法になります。

医療機関での治療を、子供が痛がって嫌がる場合は、お風呂に入ったときに、お母さんにとってもらうこともあります。

また、患部にワセリンを塗り、ラップで覆って、皮膚の乾燥を防ぐことで治ることもあります。

日常生活の注意点として、まず、皮膚が触れ合うことで感染するので、兄弟などで一緒に入浴をしないようにしましょう。

プールに入るのも避けたほうがいいでしょう。また、タオルを介して感染することもあるので、別々のものを使うようにします。

さらにみずいぼをひっかかないように爪を切って、こまめに洗うことも大切になります。


脱毛症は、生えていた毛が抜けて発毛しないものをいいます。円形脱毛症は、毛乳頭の働きが悪くなり、毛の発育が障害され、毛球が細くなり、毛乳頭との結びつきが弱くなって抜けていく症状です。

円形脱毛症がおこる原因として考えられているのが、精神的不安や過度なストレスによるもの、自律神経失調症や下垂体の機能障害などがあります。その多くが頭皮部分に発症する単発性円形脱毛症となります。

円形脱毛症の多くは、脱毛部が、円形をしています。脱毛巣の大きさはいろいろで頭全体が脱毛してしまうこともあります。痛みやかゆみなどの自覚症状がないので自分では気がつきにくく、美容室などで発見されるほとんどです。

円形脱毛症の多くは、自然になおります。複数の箇所に発生していたり、繰り返し発症する場合には副腎皮質ホルモン剤の投与がおこなわれます。即効性はなく、早くても6ヶ月ほど、長いと数年もかかることもあるため、治療は根気よく継続することがたいせつです。

完全に治癒するまでウィッグを利用するのも手段の一つです。時間がたつと毛が生えてきますが、その際には白髪が生えてくることもあります。こうした症状は一時的なもので、後に黒い毛が生えてくるので心配はありません。

紫外線照射、グリチルリチン剤、セファランチンの注射、ビタミンD剤を内服して、育毛剤を外用します。



皮脂欠乏症について

皮脂欠乏症 皮脂腺は、ホルモンの影響を強く受けるもので、皮脂の分泌は年齢、季節により相当量変化します。そして男性では50歳、女性においては40歳ごろから、そのホルモンの分泌が急激に低下し、皮脂の分泌量も減少していきます。

皮脂腺の分布は、からだの場所により異なってきます。例えば、顔や頭の皮膚では1cm2当たり平均200個もあるのに、すねの箇所では、10〜30個程度しかありません。

こうしたことから、皮脂の分泌が少なくなる年齢になると、皮脂腺の分布の少ない部分ではいっそう皮膚が乾燥していきます。

冬季では、空気も乾燥し、暖房による乾燥も加わるので、皮膚はますますカサカサになります。このように皮膚の乾燥が進むとかゆくなります。これが老人性そう痒症といわれるものです。

特に、夜間にかゆみが強くなります。入浴で脂分をすっかり落としても、直後はしっとりしていますが、水分が乾燥するときに皮膚の中の水分までも奪うので、よりカサカサになってしまいます。

皮脂欠乏性湿疹では、ふとんに入ると乾燥に加え、温まることによりかゆさが増すのです。そして、かゆみで眠れないために、ひっかき壊して湿疹となっていきます

皮脂欠乏による症状は、すね、肩、腰周りから始まります。最初は、冬場だけですが、年をとるとともに、秋ごろには始まり、春先までつづきます。そしてついには一年中カサカサし、かゆみが発症してきます。

皮膚の表面は地割れのようにひびが入っています。さらに症状が進むと粉のようなカサカサした皮膚が表面についてきます。

皮脂欠乏症は、高齢者に傾向として多いですが、ここ数年では、暖房や、清潔好きでゴシゴシ洗う人が増加したため0〜30代の人でも、冬場にはこの皮脂欠乏症になる人がでてきています。