免疫の病気

自己免疫疾患は、本当であれば、ウイルスや細菌などの異物から生体を守るはずの自己の免疫が、逆に自分自身の身体を攻撃してしまう疾患です。

通常、免疫は外からきた細菌やウイルスに対して、これを排除するようにはたらきます。ところが、免疫に何らかの異常があると、自分の体や組織を異物のように認識して、自己抗体やリンパ球をつくり、自分の体を攻撃することがあります。

自己免疫疾患の代表的な疾患が膠原病です。膠原病の人の血液中には、自分の身体の成分に対する自己抗体が多く存在し、またリンパ球も直接自分の細胞や組織を攻撃すると考えられています。

自己抗体をつくりやすい体質は遺伝することがわかっています。こうした要因を持つ人に、感染、過労、妊娠、出産、外傷、日光、等、何らかの誘因が加わると膠原病の発症につながるといわれています。

自己免疫疾患はこれまで、原因不明で治療困難な病気とされてきましたが、最新の研究で発症のしくみも少しずつ明らかになり、解決への糸口が見えてきました。

普通、免疫のトラブルは、免疫グロブリンの量や、リンパ球のなかのT細胞やB細胞の数や割合をはかる、あるいはT細胞のなかにあるCD4陽性細胞とCD8陽性細胞の数やバランスをはかること明確になります。

免疫系には、自分自身を攻撃するリンパ球を胸腺で排除するシステムがそなわっていて、自己免疫疾患では、従来、胸腺で排除しきれなかったT細胞が悪さをすると考えられていました。

胸腺外分化T細胞には次のような特徴があります。胸腺以外の場所で分化する T細胞は胸腺でのみ分化するものと考えられていましたが、90年に安保教授が肝臓で独自に分化するT細胞を発見し、この他にも、腸管や子宮粘膜などで分化するT細胞がみつかっています。

この発見によって、リンパ球がNK細胞〜胸腺外分化T細胞〜胸腺由来T細胞の順に進化したことが明らかになりました。

交感神経優位に働く 古いタイプのリンパ球であるNK細胞と胸腺外分化T細胞は、顆粒球と同じようにアドレナリンレセプターを持ち、アドレナリンが分泌される自律神経の交感神経優位時に働きます。

自己反応性がある 胸腺外分化T細胞には自己反応性があり、自爆死したり細菌感染でやられたような異常な自己細胞を除去する役割を果たしていると考えられます。